トミーカイラとは京都に存在した自動車メーカーのトミカ夢工場が製造・販売を行っていたチューニングカーのブランド名だ。
現在はオリジナルカーの製造をGLM株式会社が、チューニングカーの開発・製造・販売をGTS株式会社が継承し、事業展開を行っている。
今回紹介するトミーカイラZZは元々1995年に発表されたスポーツカーで、ヨーロッパのスポーツカーに負けない性能を持っていたが、法律の改正で販売停止となった。
しかし、2017年、EVとして復活したのである。
トミーカイラZZの特徴
99台の限定生産モデルであるトミーカイラZZは走る楽しさにあふれたスポーツカーである。
車との一体感を重点的に開発されていて、低く構えたワイドなボディーに、サイドシルは極端に幅が広くなっている。ドアハンドルも内側にしかないのは、オープンで乗ることが前提だから。
問題だった衝突安全性をクリアするため、フロント周りはオリジナルから大きく意匠が変更された。
車体構造についても電動パワープラントの搭載のため、大幅に変更されている。
インテリアは空調やオーディオなど、走ることに関係のない装備は一切用意されていないほどシンプルだ。
モノを置くスペースも用意されていないほど。
走行性能について
静止から100km/hまでの加速時間は3.9秒。
EVらしく低速ではほとんど無音で、ウインカーの作動音すらしないほどだ。
ダイレクトな操縦性を堪能するため電子制御は搭載しておらず、スパルタンな仕様に仕上げている。
ハンドルはパワーステアリングなんて搭載しておらず、しっかり握って力を込めないと思った方向に曲がってくれない。
ブレーキにもサーボはないので、減速するにはしっかり踏み込む必要がある。減速時に発電する回生ブレーキ機構は装備されていない。
アクセルペダルは触れただけで、瞬時に動き出すため、低速のスピードコントロールはとてもスムーズ。
オープンスポーツカーなので、エンジン音はないが、ロードノイズと風切り音はすさまじいので、その点は覚悟しておきたい。
気になる航続距離は
航続距離はカタログ値で120kmと少なめになっている。これは重量850kgと軽さを追求してバッテリー容量を制限にしていることも関係しているのだろう。
急速充電器を使えば約30分で80%のチャージが可能だ。
EVながら走りに特化した作りは、作り手からは純粋に走りを楽しめというメッセージが感じられる車である。