今回は2021年3月に登場したマツダのEVモデル「MX-30」を紹介したい。
フリースタイルドアと呼ばれる観音開きのドアが特徴で、リアドアは通常センターピラーにヒンジを持つが、MX-30はリアドアのヒンジを後方に移した。
その結果、センターピラーを持たないため、前後のドアを開けると大きな開口が生まれる。これはMX-30だけのものだ。
内装はグレーとホワイトまたは、ブラックとブラウンのツートンカラーとなっている。シートはクロスと合成皮革のコンピ仕立てで、電動調整機構やシートヒータが標準装備。
コルク材でドレスアップされているところもマツダのこだわりだ。
走行性能について
これまでのEVにありがちな低重心、発進トルクの強烈さを熟知したうえで、乗り心地がよいものになっている。
これは他のマツダ車に比べても群を抜いているといっていいだろう。
これはモーターペダルと呼ぶ電動モータートルク制御システムを採用しているためだ。
ドライバーがゆっくりペダルを操作したときは車速管理しやすいように緩やかにトルクが変化。素早い踏み込みはレスポンスよく提供している。
重量は1,650㎏あるが、そう感じさせないほど身のこなしが軽い。そして、静かでスムーズだ。疲れず、安心して操作できるだろう。
走行時は、モーターのトルクを認知できるようEVサウンドがついている。これによってモーターがどう頑張っているのかわかるようになっているのだという。
気になる航続距離は
航続距離はマツダの公式サイトによると一充電走行距離はWLTCモードで256km、JC08モードで281kmとなっている。
実質的な航続距離は200km弱で、主に街中の移動で使われるシティコミュレーターレベルといっていいだろう。
充電は、普通充電と急速充電がついており、急速充電だと40分で80%の充電が可能。
しかし、急速充電はバッテリーの保護のため、40kWに制限されている。
なんでもEVのメイン市場である欧州では急速充電の需要が高くないらしい。
多くがセカンドカーとしての需要で遠出するものではないからだ。そのため、40kWでも問題ないということだ。
そのため、日産のように充電サービスを展開しておらず、自宅に充電設備がある人をターゲットとしている。
日本の多くのEVユーザーは外部の急速充電施設を使っているため、日本がメインターゲットではないのであろう。
そのためか現行モデルは注文受付が完了している。