トナーレは、アルファロメオから初となるPHEV(プラグインハイブリッドモデル)で乗用車としても世界初採用となる技術も盛り込んだ意欲作だ。
アルファロメオのSUV、ステルヴィオの弟分のような存在のトナーレは、全長4528mm×全幅1841mm×全長1601mmというサイズになっている。
全幅1905mmのステルヴィオより一回りコンパクトなイメージだ。
そのため、道幅の狭い道路であっても問題ないと思っていいだろう。日本にもありがちなシチュエーションなので、このサイズ感はかなりいい。
ボディがコンパクトな分、室内が広々というわけにはいかないが、大人4人とその荷物を積んで出かける分には不自由ないくらいの広さはある。
新開発のインフォテイメントシステムを標準装備しており、ドライバーは運転から注意をそらすことなく、すべての情報を一目で確認できるようになっている。
走行性能について
トナーレは、新開発のハイブリッドパワートレインを搭載したSUVだ。
可変ジオメトリーターボ付き1.5L直4エンジンと、P2モーターを内蔵した7速DCTを組み合わせた前輪駆動のハイブリッドモデルである。
大容量のモーターとバッテリーを搭載しているわけではないので、電力による加速アシストは、発進から低速域に限る。
トナーレはマイルドハイブリッドでありながら低い速度域ではモーターで走ることが可能だ。静止状態から時速20kmあたりまではモーターのみで走ることが多い。
モーター走行からハイブリッド走行に切り替わるときのフィーリングは自然で、どちらで走っているのか気づかないほどだ。
スピードを楽しむ車ではないが、十分にスポーツドライビングを楽しめるだろう。
NFT(ノン・ファンジブル・トークン)認証が採用された初の乗用車
NFTとはデジタルデータ改ざん防止のテクノロジーである。トナーレではNFTを用いて車両をデジタルで管理できるようになった。
デジタルで管理することに、どのようなメリットがあるのかというと、車両の残存価値を正確に証明できることにつながる。
中古車となったときに安心して選べるようになるわけだ。今後、業界標準となるのは必至だろう。
アルファロメオはここからラインナップのEV化を進めていき、2027年にはEVのみのブランドになることを宣言している。
トナーレは、アルファロメオの今後を占う重要となるモデルというわけだ。
2019年のコンセプト発表からデビューまで時間がかかったのも、そのためだといわれている。
今後のアルファロメオのEVには期待したいと思う。