丸みのあるかわいらしいフォルムが人気のフィアットにもEVがラインナップされている。
フィアット500eという名前から、500のEVバージョンと思われるかもしれないが、500と500eの共通パーツは車全体でわずか4%。プラットフォームも1から開発されている。
ボディサイズは全長3630mm×全幅1685mm×全高1530mmという日本の道路環境において扱いやすいEVだ。
ボディバリエーションは3ドアハッチバックと、電動開閉式ソフトトップを備えたカブリオレの2種類をラインナップ。
ソフトトップは開けることができるので、日差しの強い時間帯以外はエアコンをオフにしてソフトトップを開ければ電気の消費を抑えながら快適に走ることができるだろう。
走行性能について
走行モードは「ノーマル」「レンジ」「シェルパ」の3パターンから選択可能。
「シェルパ」はヒマラヤ登山を支える強力(ごうりき)を意味し、電費を最大限まで向上して走行するモードだ。条件に応じて最高速度を80km/hに制限し、エアコンやヒートシーターを制御して航続距離を稼ぎ出せる。
「ノーマル」は通常モードで、「レンジ」はエネルギー回生を積極的に行うモードだ。
各モードの切り替えはセンターコンソール前方のダイヤル式スイッチで操作する。
4人乗りだが2ドアなので実質2人乗りといっていいだろう。コンパクトなサイズは駐車場や日本の狭い路地でも取り回しが楽になっている。
ワインディングでも非力さを感じない力強い走りと、安定性と機敏さを備えた運動性能は高速道路でもストレスを感じないだろう。
気になる航続距離は
リチウムイオンバッテリーの容量は42kWhを確保し、WLTP複合モードでの航続298~321kmとなっている。
42kWhというバッテリー容量でも、3kWの充電設備なら一晩程度での満充電が問題なく行えるので、充電設備のための出費を最小限で抑えることが可能だ。
なお、500eの販売についてはサブスクリプション型カーリース「フィアット・エコ・プラン」か、すでに提供中の通常個人リースの「パケット・フィアット」が前提となっている。
これはEVの残価が厳しい状況の中、リースにすることで車の価値を守り、ユーザーがEVを選びやすいようにする狙いがあるようだ。
これまでのモデルと変わらない愛らしいデザインはそのままに、あらたなEVとなった500e。これからの時代の車として検討してみてもいいかもしれない。