専門家の間でも評価が割れるEV。それでも、これから普及していくのは間違いない。どうしてだろうか?
それは、ガソリンといった液体燃料を使うエンジン車は、エネルギーコストという点でEVのほうが優位だからである。
これまでの歴史を見ても、エネルギーコストで決まってきたからだ。
ガソリンと電気のコストを見てみると分かりやすい。ガソリンの1L当たりの価格は140円ほど。これ以上下がることはないといっていいだろう。
燃費から考えると140円で最大28km走れるが、電気だとどうなるか。
28kmを走らせようとすれば80円くらいですんでしまう。これだけ、エネルギーコストが異なると効率が違ってくる。
しかし、現状を見るとEVはなかなか普及していない。それにはいくつか超えないといけないハードルがあるのだ。
バッテリーの寿命
超えなければならないハードルの一つがバッテリーの寿命。スマートフォンの場合、2年も使っているとかなり弱くなってくる。
初期のEVである日産リーフも6年ほどで航続可能距離がガクッと短くなった。
しかし、直近のバッテリーは開発が進み、寿命は大幅に伸びている。
テスラが使っているリン酸リチウム電池なら充放電回数が3000回でも航続可能距離を維持できるようになった。
バッテリーについては各メーカーが開発を進めており、今以上の進化が期待できる。
車両価格の高さ
車両価格はEV普及において大きな足かせとなっている。
ただし、日本メーカーの場合、高価なバッテリーを使っているだけで、国際的にみると1kWhあたり2万円程度まで下がってきた。
一方、ガソリン車の場合、燃料規制が年々、厳しくなる一方だ。規制をクリアするため、ハイブリッド化が必須となり、価格は上昇する。
10年もしたら、EVとガソリン車の価格差はなくなるだろう。
充電インフラの不足
現代会でEVの普及において最大のハードルが充電インフラの不足だろう。一戸建てなら充電器を2,3万円で用意できるが、集合住宅や月極駐車場だと困難だ。
日本でも英国のように建築基準によって、EV用充電器設置が義務付けられるかもしれない。東京都は実際、条例改正に向けて動いている。
そうなると、充電インフラは普及していくだろう。
エネルギーコストという面では大きなメリットがあるEV。普及のためのハードルを越えていくにはあと数年はかかると予測しているが、確実にEVは普及していくだろう。
そうなったときには皆EVを購入するはずだ。